CaCO3ナノ粒子、炭酸カルシウムナノ粒子
(Calcium carbonate nanoparticles)
市販されている炭酸カルシウムには重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムがある。重質炭酸カルシウムは石灰石を粉砕して作られるため、ナノ粒子化には限界がある。よって炭酸カルシウムナノ粒子のほとんどは化学合成による軽質炭酸カルシウムである。
軽質炭酸カルシウムの製法としては、石灰石(炭酸カルシウム)を加熱していったん生石灰(CaO)と二酸化炭素に分解(化学式1)、生石灰を水に溶かし、水酸化カルシウム水溶液にして(化学式2)、そこに二酸化炭素を吹き込んで炭酸カルシウムを再合成する(化学式3)方法が代表的である。
(1) CaCO3→CaO+CO2
(2) CaO+H2O→Ca(OH)2
(3) Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
水酸化カルシウムの濃度や二酸化炭素との反応条件を制御することにより、粒子径が小さく比較的粒度の揃った炭酸カルシウムナノ粒子を合成することができる。
用途:顔料、増粘剤、フィラーなど。(紙、樹脂、ゴム、インク、塗料などに用いられている)
【メーカー、販売店等】
白石工業株式会社(Shiraishi Kogyo)
各種軽質炭酸カルシウムを製造、販売。軽質炭酸カルシウムの老舗。
株式会社ニューライム(NEW LIME)
合成炭酸カルシウム粉体とその表面処理品などを製造、販売。
丸尾カルシウム株式会社(Maruo Calcium)
各種軽質炭酸カルシウム、コロイドを製造、販売。