防衛医科大学校、早稲田大学理工学術院、奈良県立医科大学の共同研究チームは、止血
ナノ粒子と酸素運搬ナノ粒子を用いた出血性ショックの救命蘇生に世界で初め
て成功したとのこと。
これによると、研究チームは肝臓での大量出血下にある、血小板減少を来したウサギをモデルに、2種類のナノ粒子(止血ナノ粒子と酸素運搬ナノ粒子)を静脈内投与し、止血と虚血を回避、救命に成功したとのこと。
この2種類のナノ粒子は、血小板と赤血球の代替機能を持ち、失われた血液に代わって出血部位での止血や全身への酸素運搬を助ける、新しい治療法として期待される。
通常、輸血によって赤血球、血漿、血小板成分をバランスよく供給することが大切だが、赤血球成分の輸血に用いられる濃厚赤血球や血小板成分の輸血に使われる濃厚血小板は保存期間が数日~20 日程度と短く、不足したり、十分でない状況が続いているとのこと。
今回のナノ粒子の場合、保存期間を1年程度まで長くできる可能性があり、さらなる研究の進展が期待されている。